ここでは、相続手続や生前対策の場面で札幌法務局を利用する方法について説明します。
札幌法務局とは
法務局の組織は、法務省民事局の配下にあり、全国を8ブロックの地域に分けて各ブロックの中心に「法務局」が置かれ、その下に都道府県を単位とする「地方法務局」が置かれています。全国で「法務局」は8ヶ所、「地方法務局」は42ヶ所、支局は261ヶ所、出張所は102ヶ所あります(令和6年6月現在)。
北海道地方(札幌法務局菅内)では、札幌法務局、函館地方法務局、旭川地方法務局、釧路地方法務局で管轄をカバーしています(北海道地方の管轄地図)。
さらに札幌法務局の管轄内は、札幌法務局本局、南出張所、北出張所、西出張所、白石出張所、江別出張所、恵庭出張所、岩見沢支局、滝川支局、室蘭支局、苫小牧支局、日高支局、小樽支局、倶知安支局に分けられています(札幌法務局:不動産登記の管轄地図、商業登記の管轄地図)
北海道地方(札幌法務局菅内)では、札幌法務局、函館地方法務局、旭川地方法務局、釧路地方法務局で管轄をカバーしています(北海道地方の管轄地図)。
さらに札幌法務局の管轄内は、札幌法務局本局、南出張所、北出張所、西出張所、白石出張所、江別出張所、恵庭出張所、岩見沢支局、滝川支局、室蘭支局、苫小牧支局、日高支局、小樽支局、倶知安支局に分けられています(札幌法務局:不動産登記の管轄地図、商業登記の管轄地図)
札幌法務局の利用方法
法務局では、登記、戸籍・国籍、供託等の民事行政事務と訟務事務および人権擁護事務など多岐に渡る業務を取り扱っています。
相続手続や生前対策の場面では、相続登記等の不動産登記、相続人確定のための法定相続情報証明制度、自筆証書遺言書保管制度で法務局にて手続きすることになります。
相続手続や生前対策の場面で札幌法務局を利用する方法について順にご説明します。
法務局の窓口対応時間
法務局の窓口は平日の午前8時30分から午後5時15分までですが、働き方改革の推進のため令和6年1月4日から窓口対応時間を午前9時から午後5時までとしています(人権相談などの一部の事務を除く)。
なお、オンラインでの申請や請求可能な手続きも多いので、場合によってはオンラインの利用も検討されると良いと思います。
登記手続案内・登記相談「きけるっしょ」等を利用する場合には、事前予約が必要になりますのでご注意ください。
登記事項証明書等の取得(証明書の交付請求)
相続対象である不動産の内容を確認するためには、まず札幌法務局で登記事項証明書(土地・建物)を取得する必要があります。また地図・図面証明書や登記事項証明書(会社・法人)等も取得することができます。
各証明書の請求方法としては、①法務局窓口に提出する方法、②請求書を郵送する方法、③オンラインによる方法があります(各種証明書請求手続き)。
急ぎの場合や登記事項要約書が欲しい場合は①の方法を選択する必要があります。登記申請と異なり、札幌法務局管内本局の他、いずれの支局・出張所でも交付請求ができます。また、大通ブランチ・オフィスや浦河証明サービスセンターでも取得できます。
自筆証書遺言書保管制度の利用
自筆証書遺言を法務局(遺言書保管所)で保管する制度です。一般の自筆証書遺言書に比べ、改ざんや紛失を防止でき、検認手続きが不要になるメリットがあります。
この制度を利用する場合は、次の地を管轄する遺言書保管所のいずれかに申請をします。なお、事前予約が必要になりますので、オンラインまたは電話で予約申込みをしてください。
- 遺言者の住所地
- 遺言者の本籍地
- 遺言者が所有する不動産の所在地
札幌法務局管轄の遺言書保管所は、札幌法務局本局・岩見沢支局・滝川支局・室蘭支局・苫小牧支局・日高支局・小樽支局・倶知安支局です。
法定相続情報証明制度の利用
法定相続情報証明制度は、相続人が法務局に戸籍謄本(戸籍・除籍・改正原戸籍)の束と相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)を提出することにより、登記官がその一覧図に認証文を付した「法定相続情報一覧図の写し」をで交付する制度です(無料)。「法定相続情報一覧図の写し」をその後の相続手続で利用することで、戸籍謄本の束を提出する必要がなくなるので便利です。
この制度を利用する場合は、次の地を管轄する登記所のいずれかに申出をします。一番利便性の良い登記所を選択することができます。申出は直接持参して提出する方法または郵送による方法で行います(オンラインは不可)。
- 被相続人の本籍地
- 被相続人の最後の住所地
- 申出人の住所地
- 被相続人名義の不動産の所在地
相続登記等の登記申請手続き
相続による移転登記や抵当権抹消登記等の不動産登記の場合は、あらかじめ定められた管轄の本局・支局・出張所に対して申請をします。例えば、札幌市中央区にある不動産の相続登記の申請は札幌法務局(本局)、札幌市北区にある不動産の相続登記の申請は札幌法務局北出張所となります。
また、役員変更登記等の商業登記の場合は、管轄の札幌法務局(本局)に対して申請します。
登記申請は直接持参による方法、郵送による方法、オンラインによる方法で行います。
その他の手続き
上記の他、相続手続きで関係する法務局の手続きは供託・成年後見登記です。
供託
金銭や有価証券などを国家機関である供託所に提出して、その管理を委ね、最終的には供託所がその財産をある人に取得させることによって、一定の法律上の目的を達成するために設けられている制度です。
法務局およびその支局が供託所としてその事務を扱っています。
成年後見登記
成年後見人などの権限や任意後見契約の内容などをコンピュータシステムによって登記し、登記官が登記事項を証明した登記事項証明書(登記事項の証明書・登記されていないことの証明書)を発行することによって登記情報を開示する制度です。
札幌法務局の管轄早見表(登記申請)
商業・法人登記申請
札幌法務局における商業登記・法人登記の申請はすべて本局が管轄になります。
管轄区域 | 庁名 |
---|---|
札幌法務局管内すべて | 札幌法務局(本局) |
不動産登記申請
札幌法務局における不動産登記申請は不動産の場所に応じて管轄が異なります。例えば札幌市東区にある不動産の相続登記の申請は札幌法務局北出張所、札幌市手稲区にある不動産の相続登記の申請は札幌法務局西出張所となります。
管轄区域 | 庁名 |
---|---|
札幌市中央区 | 札幌法務局(本局) |
札幌市豊平区 | 南出張所 |
札幌市南区 | |
札幌市清田区 | |
札幌市北区 | 北出張所 |
札幌市東区 | |
石狩市 | |
札幌市西区 | 西出張所 |
札幌市手稲区 | |
札幌市白石区 | 白石出張所 |
札幌市厚別区 | |
北広島市 | |
江別市 | 江別出張所 |
石狩郡当別町 | |
石狩郡新篠津村 | |
恵庭市 | 恵庭出張所 |
千歳市 | |
岩見沢市 | 岩見沢支局 |
三笠市 | |
美唄市 | |
夕張市 | |
樺戸郡月形町 | |
夕張郡長沼町 | |
夕張郡由仁町 | |
夕張郡栗山町 | |
空知郡南幌町 | |
滝川市 | 滝川支局 |
砂川市 | |
歌志内市 | |
芦別市 | |
赤平市 | |
樺戸郡新十津川町 | |
樺戸郡浦臼町 | |
雨竜郡雨竜町 | |
空知郡奈井江町 | |
空知郡上砂川町 | |
室蘭市 | 室蘭支局 |
登別市 | |
伊達市 | |
虻田郡洞爺湖町 | |
虻田郡豊浦町 | |
有珠郡壮瞥町 | |
苫小牧市 | 苫小牧支局 |
白老郡白老町 | |
勇払郡厚真町 | |
安平町 | |
むかわ町 | |
浦河郡浦河町 | 日高支局 |
様似郡様似町 | |
幌泉郡えりも町 | |
新冠郡新冠町 | |
沙流郡平取町 | |
沙流郡日高町 | |
日高郡新ひだか町 | |
小樽市 | 小樽支局 |
余市郡余市町 | |
余市郡仁木町 | |
余市郡赤井川村 | |
古平郡古平町 | |
積丹郡積丹町 | |
虻田郡倶知安町 | 倶知安支局 |
虻田郡京極町 | |
虻田郡ニセコ町 | |
虻田郡留寿都村 | |
虻田郡真狩村 | |
虻田郡喜茂別町 | |
磯谷郡蘭越町 | |
岩内郡岩内町 | |
岩内郡共和町 | |
古宇郡泊村 | |
古宇郡神恵内村 |
札幌法務局の登記完了予定日
商業・法人登記申請
管轄区域 | 庁名 |
---|---|
札幌法務局(本局) | 本局の登記完了予定日 |
不動産登記申請
管轄区域 | 庁名 |
---|---|
札幌法務局(本局) | 本局の登記完了予定日 |
南出張所 | 南出張所の登記完了予定日 |
北出張所 | 北出張所の登記完了予定日 |
西出張所 | 西出張所の登記完了予定日 |
白石出張所 | 白石出張所の登記完了予定日 |
江別出張所 | 江別出張所の登記完了予定日 |
恵庭出張所 | 恵庭出張所の登記完了予定日 |
岩見沢支局 | 岩見沢支局の登記完了予定日 |
滝川支局 | |
室蘭支局 | |
苫小牧支局 | |
日高支局 | |
小樽支局 | |
倶知安支局 |
管轄検索リスト
札幌法務局をはじめ全国の法務局管轄を調べる場合には下記リストをお使いください。
相続手続・生前対策に関するご相談は初回無料で受け付けております。
気にある点がありましたら、些細なことでも結構ですのでお問い合わせください。
なか司法書士事務所
司法書士 中 英康
札幌市中央区(狸小路7丁目近く)の司法書士事務所で代表を務める。
一般個人向けに相続手続・生前対策・不動産登記全般、法人企業向けに経営基盤整備支援・経営者の相続支援・商業登記全般を取り扱う。
