本店移転と登記手続
本店の所在場所は登記事項です(会社法911条3項3号)ので、本店移転により登記事項に変更が生じた場合、原則として効力発生日から2週間以内に変更登記の申請が必要です(会社法915条1項)。
ただし、登記上の本店所在場所を「〇〇ビル」までとしている会社が、同じビル内の別の階や別の部屋に移動した場合は、登記事項に変更が生じないため、本店移転登記は不要です。
一方、会社(本店)を物理的に移転していない場合でも、登記手続きが必要になることがあります。例えば、本店所在場所としてビル名まで登記している会社が、ビルオーナー等の都合で「〇〇ビル」から「△△ビル」に変更された場合は、登記事項に変更が生じるため、登記手続き(本店変更)が必要になります。
株式会社の本店移転に関する登記手続では、「定款における本店所在地」や「登記上の本店所在場所」の記載内容、取締役会設置の有無等により登記の形態が異なります。本店移転の際は、事前準備・検討が重要になります。
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司法書士/中 英康
本店移転登記-管轄内
33,000円(税込)~
本店移転登記-管轄外
55,000円(税込)~
本店所在地(場所)の記載内容(定款・登記)
株式会社が本店移転をする際は、まず本店所在地(場所)に関する定款記載事項と登記事項を確認します。
定款における本店所在地の必要最小限の内容
定款に記載する本店所在地は「最小行政区画(市区町村)」までの記載で足りるとされています。
例:「当会社は、本店を札幌市に置く」
もちろん定款に具体的な番地まで書き込むこともできますが、この場合は隣のビルに移転しただけでも定款変更のための株主総会を開催する必要があります。よって、「市」や「区」までの記載にとどめるのが一般的です。
- 必須項目: 最小行政区画(市区町村)まで
(例:東京都千代田区、札幌市) - 任意項目: 具体的な所在場所、ビル名、号室
(例:北〇条西〇丁目〇番地 〇〇ビル 〇階)
登記における本店所在場所の必要最小限の内容
登記簿に記載すべき本店所在場所は、「最小行政区画(市区町村)」だけでは足りず、「地番(番地)」または「住居番号(号)」までが必要です。
- 必須項目: 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号(または〇番地)
- 任意項目: ビル名、マンション名、階数、部屋番号
本店移転登記の手続きを確定するための3つのポイント
具体的な本店移転手続きは、主に以下の3つのポイントによって確定されます。
[ポイント1] 移転先の登記所の管轄(管轄内/管轄外)
現在の登記所の管轄区域(管轄エリア)を越えるか否かで、必要書類や登録免許税の額が変わります。
管轄内本店移転
- 内容:現在の登記所の管轄区域内での移転
- 申請先:旧本店所在地を管轄する登記所1ヶ所のみ
- 登録免許税:金3万円
- 印鑑カード:原則として継続利用可
管轄外本店移転
- 内容:登記所の管轄区域をまたぐ移転
- 申請先:旧所在地の登記所に対し新旧2件分の申請書を同時提出
- 登録免許税:金6万円(旧管轄3万+新管轄3万)
- 印鑑カード:旧印鑑カードは失効し、新所在地の登記所で再発行の手続きが必要
[ポイント2] 定款における本店所在地の記載(定款変更決議の要否)
定款に「どのレベルまで」住所を記載しているかによって、必要な決議の種類が異なります。
最小行政区画(市区町村)のみを記載している場合
- 定款変更の決議:不要
- 移転場所・日程の決議:取締役会決議(非設置会社は取締役の過半数)
具体的な所在場所まで記載している場合
- 定款変更の決議:必要(株主総会の特別決議)
- 移転場所・日程の決議:取締役会決議(非設置会社は取締役の過半数)
[ポイント3] 支配人の登記の有無
本店に「支配人」を置いている登記(支配人登記)がある場合、本店の移転に伴い支配人を置いた営業所の移転も併せて必要になります。
- 追加登記:支配人を置いた営業所の移転登記
- 登録免許税:金3万円
本店移転登記の手続(管轄内・管轄外)
管轄内本店移転
- 定款変更が不要な場合
登記手続に必要な書類は下記のとおりです。- 取締役会議事録(または取締役の決定書)
- 本店移転登記申請書
- 定款変更が必要な場合
登記手続に必要な書類は下記のとおりです。- 株主総会議事録(定款変更の特別決議)
- 株主リスト
- 取締役会議事録(または取締役の決定書)
- 本店移転登記申請書
管轄外本店移転
旧所在地を管轄する登記所に対して、旧所在地用と新所在地用の申請書を同時に提出(経由同時申請)します(商業登記法51条)。
- 登記手続に必要な書類は下記のとおりです。
- 株主総会議事録(定款変更の特別決議)
- 株主リスト
- 取締役会議事録(または取締役の決定書)
- 本店移転登記申請書(旧所在地用・新所在地用)
本店移転により登記事項に変更が生じた場合、原則として本店移転の効力発生日から2週間以内に登記手続が必要になります(会社法第915条第1項)。この期限を過ぎて申請を怠った場合(登記懈怠)、代表者個人に対して100万円以下の過料が科されるリスクがあります(会社法第976条第1号)。本店移転に伴い登記が必要となる場合は、速やかに手続を進めるようにしてください。
本店移転登記支援の料金
【管轄内本店移転登記】
司法書士報酬
33,000円(税込)~
【管轄外本店移転登記】
司法書士報酬
55,000円(税込)~
- 【】内の区分は、登録免許税法別表第一の24号(1)の記載によるものです。
- 「支配人を置いた営業所の移転」が必要な場合は、別途料金が発生します。
- 同時に他の登記をする場合は、別途料金が発生します。
- 司法書士報酬の他に、登録免許税、登記事項証明書・郵送費・交通費等の実費がかかります。
手続きの流れ
対面のほか電話・e-mail・Zoom等のリモート対応しています。
電話またはe-mailでご連絡いただき、面談日時をご予約ください。
対面の場合は、当事務所またはお客様のオフィスでのお打合せをさせていただきます。
リモートの場合は、電話・e-mail・Zoom等を利用したお打合せをさせていただきます。
初回相談は無料です。土日祝日のご相談も可能です。
お客様よりご提供の書類等を弊所にて確認させていただきます。
御見積書を提示させていただくと共に、全体の流れとスケジュールもお伝えします。
提案内容にご納得いただけましたら、申込手続きとなります。
ご契約書を用意しますので、署名・捺印の上、ご返送ください。
契約内容に基づき、弊所で作業に着手します。
議事録等の必要書類がある場合は弊所で作成することが可能です。
お客様で作成された書類がある場合は、事前に法的精査をさせていただきます。
お客様に署名・捺印をいただく書類(議事録・委任状等)を郵送します。
上記でお送りした書類に署名・捺印の上、ご返送ください。
また、必要に応じて印鑑証明書も一緒にお送りいただきます。
弊所で登記申請手続きを行います。
弊所で、登記完了後に新しい登記簿(全部事項証明書)を取得します。
納品時には、上記の全部事項証明書や預り書類等一式を郵送させていただきます。
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